地理で学んだように、西アジアはイスラム教の世界だが、その成立は7世紀にさかのぼる。
★KEY-POINT
イスラムとは「すべてを神に捧げる」という意味で、コーランとは「読むべきもの」という意味。このイスラム帝国で栄えたイスラム文化は、現在我々が使用している数字(アラビア数字)をつくったり、天文学や化学などの自然科学などが発達した。また、羅針盤や色ガラスなどもつくられた。文化では「アラビアン=ナイト」(千夜一夜物語)がある。首都のバグダッドは国際都市として、また、中継貿易の拠点として栄えた。
★KEY-POINT
2で登場したフランク王国について。この王国、支配下にカトリック系のキリスト教徒が多かったために、もともとは別の宗派であったが、カトリックに改宗して統治をスムーズに行なった。後にこの王国は相続争いから3つに分割されるのだが、その境界線は、現在のドイツ語・フランス語・イタリア語の言語境界とほぼ一致している。この3つの境界が重なるところに後のスイスが建国されたのだが、3つの言語境界は変化していないため、現在でもスイスは3つの公用語を持つ国となっているのである。
★KEY-POINT
十字軍の影響
結果的には、第1回の十字軍以外はすべて失敗に終わっている。その原因は、@ヨーロッパ各国からの連合軍で構成されているため、統制が十分にとれなかった、A宗教上の目的から、次第に東方の富を得ることも目的となり、動機が不純になってきたから、という2点があげられる。
これまで、書物はほとんどラテン語で書かれ、読めるのは一部の知識人であったが、14世紀の初め、ダンテは自分の母国語のイタリア語で「神曲」を著した。これがルネサンスの先駆けである。
★KEY-POINT
このルネサンス、文化においてだけ影響を及ぼしたのではないことに注意。ルネサンスは一方で、人間と自然とをありのままに観察し分析する精神を発達させた。そのため、化学と技術の発達を刺激した。グーテンベルクが発明した活版印刷術は、聖職者や貴族に独占されていた知識を広く普及させる役割をはたした。火薬の利用は大砲や鉄砲を生み、騎士の没落を早めるとともに、対外進出を有利にした。羅針盤は、地理学や天文学の発達とともに遠洋航海を可能にし、ヨーロッパ人の世界制覇に道を開いた。
イタリア=ルネサンスは次第に西ヨーロッパの各国に伝わり、イギリスではシェークスピアらがでた。
十字軍の失敗で資金繰りに困っていたローマ教皇は、資金集めのために免罪符を売っていた。免罪符とは、免罪符を買えばそれまでの罪が許されるというもので、この行いは神の権威を著しくそこなうものであるとして、宗教改革の発端となった。
★KEY-POINT
ルターやカルビンの教えをプロテスタント(新教)といい、従来のカトリック(旧教)と区別した。
15世紀の頃まで、イスラム商人やイタリア商人が東方貿易を独占…アジアの香辛料や絹織物を輸入して莫大な利益を獲得→西ヨーロッパの人々は、地中海を通らずに、直接にアジアと交易する道を求めた。
★KEY-POINT
新航路の発見の背景には、天文学・地理学や航海術の発達、羅針盤・火薬・帆船の改良など、化学・技術の発達があった。
新航路の発見によって、ヨーロッパ人が世界に進出する道が開かれた。とくにスペインは、アメリカ大陸にあったメキシコのアステカ帝国やペルーのインカ帝国を滅ぼすなどして、一大海上帝国を築いた。
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