《2日目(8月12日)》

■朝食
またしても“朝食だけは”釜山で食べることとした。最初からサイコロを振ってしまうと、いつどこで食べられるかわからないので、とにかく朝食だけは食べてそれから合宿に入ろう、ということになった。朝の釜山をさまよい、辿り着いた店は「李大監」。朝十時からやっている、という理由だけで選んだお店。ところが、単品メニューもあるが、コースメニュー“定食”が朝から用意されていて、我々は思わずそれを注文してしまった。しかも一番高いコースを。

「韓定食」と呼ばれている料理で、少量ずつ盛られた料理がこれでもか!と出てくるのである。元体育会系出身の3名といえども音をあげるほどの量なのだ。「残しちゃまずい、いや、そんなはずはない」などと不必要に反語表現を多用しながら頑張って食べるが、食べきれなかった。

店員「ゴハン、タベマスカ?」
3名「それって、コースに入ってるの?」
店員「ハイッテマス。シロイゴハンガヨイデスカ?」
3名「シロイゴハンガヨイデス」
ということで出てきたのが、赤飯(とおもわれるもの)。そしておかずが10皿程度。韓国人の胃はドーなってるんだろう。

■サイコロ第一投
満腹となった我々は、遂に合宿を開始することとした。そう、サイコロ、である。

原「とりあえず、今回は、場所だけ決めたから。あとはその場所に行ってから店を6つ探して、またサイコロを振る、ってことで良いね?」
神・柴田「ハイ」
サイコロ第一投
一度は行こう“板門店
●●
味覚を楽しむ“全州(チョンジュ)
●●●
現地では時間的に楽しめない“済州(チェジュ)
●●●●
古都を楽しむ“慶州(キョンジュ)
●●●●●
旅の拠点を探索しよう“釜山
●●●●●●
やっぱりはずせない“ソウル

サイコロをやる、と言いながら旅の前から「普通の観光“も”しましょうよ」と言い出した軟弱者“神”に第一投を任せた。原はできれば板門店やソウルなど行かずに合宿を終えたかったし、この選択肢からすればソウルに行く確立など低いから、神に任せても問題ないだろうし、神も納得するから、と思ったからである。

が、出た目は「」。そう、板門店。ガイドブックには「現地のツアーに参加しないと行けない。Tシャツやジーパンは×」と書いてあったあの板門店である。我々は急いで釜山のinformationへ駆け込み、どうすれば板門店に行けるのかを聞いた。

information「とにかくソウルへ行って下さい」
なぬ!?ソウル!?いきなりふつーの観光旅行ぽくなってしまい、原、憮然。
ともかく、飛行機会社にいきなり電話しても韓国語が全くわからないから、と近くの旅行会社を紹介してもらう。が、2店とも日曜日のため休店。仕方なく、柴田が果敢に飛行機会社へ電話をした。
柴田「・・・」
神・原「おい、ダン、わかってるのか?」
柴田「・・・(いきなりプッシュホンで6を押す)」
神・原「おぉ〜、すげぇ〜、韓国語を理解しているよ!」


柴田「あの〜、ソウルに行きたいんですけど」
神・原「すげぇ〜、韓国人としゃべってる!あれ?日本語でしゃべってるぞ?」
何はともあれ、ソウル行きの飛行機の予約が取れ、タクシーに飛び乗り、急ぎ空港へと向かったのである。

韓国の交通機関の値段は、日本と比べると恐ろしく安い。釜山→ソウルで大体6000円程度。このサイコロツアーが実現できたのも、この価格の安さがあってこそのだ。

それにしても、である。
日本国内移動は新幹線。入国は高速フェリー。そして、旅行先の国内移動で飛行機、というなんともへんてこな旅をすることとなった。

■電話!?
ソウル空港にたどり着いた我々は早速informationへ行き、板門店へのツアー参加の方法を聞いた。

原「あの〜、板門店へのツアーにはどうしたら参加できますか?」(とりあえず英語で聞いてます)
と言いながら日本語のガイドブックを指し示しながら、板門店へ行きたがっていることをアピールした。すると
informationのお姉ちゃん「(ガイドブックに書いてある電話番号を指し示しながら)電話してみたら?」
3名「!」
釜山で電話して聞けば良かった(^_^;。
原「あの〜、明日か明後日の板門店のツアーには参加できますか?」
旅行会社「予約でいっぱいです」
原「・・・」
こうして板門店への道は閉ざされたのであった。

釜山で電話すればわざわざソウルまでこなくたって・・・と皆で自分たちのバカさ加減を笑いながら、ソウル市内を目指すこととした。この時点で既に3時過ぎ。とりあえず今晩の宿をソウルに定め、ソウルで昼飯兼晩飯のサイコロを振ることとした。ともかく韓国の飛行機に乗れた、ということで良しとしよう、と皆で納得しあったのであった。

■事件勃発!
ソウル市内には地下鉄で向かうこととした。券売機前には、ボランティアらしい小中学生らしき子が、券売機前で買い方に困っている旅行客に買い方を親切に教えていた。そして、事件は起きた。

神「財布がない!」
行員章(神は銀行員)もカードも入っていたらしい。とにかくバックの中を探すが見つからない。飛行機搭乗前には3人ともそれぞれの財布があることを確認しているから、落としたり盗まれたりした可能性があるのは、登場直前以降。早速飛行機会社に落とし物がなかったか確認に向かった。
飛行機会社「英語できますか?」
3名顔を見合わせて「す・こ・し・・・」
こうして、財布捜索は難航を極めるか、と思われたが、隣の列でチケットを購入していた家族連れのお父さん、なんと日本語も韓国語もペラペラ。通訳をお願いした。彼が日本人か韓国人か、結局結論は出なかったが、とにかく神の財布は飛行機の中にあったらしく、無事、保護することができた。1時間弱の出来事だった。

■いざ、ソウル!
地下鉄でソウル駅に到着し、次はホテルを探すことになった。そこで早速困った時のinformation頼み、ということでソウル駅のinformationへと向かった。そしてそこで紹介されたのは、コンドミニアム。地下鉄を乗り継ぎ、たどり着いた場所は・・・何とも言えない、身の危険を感じる場所だった。男性3人組でもちょっとたじろぐ場所だったために、ガイドブックに書いてあるホテルへ直接電話して予約を取ることにした。

神「アニョハセヨォ〜、日本語OKですか?」
こうして、無事ホテルを予約、タクシーでそこへ向かった。
神「メトロホテル、お願いします」
タクシーの運ちゃん「メトロホテル、安いホテル。ロッテホテル、高いホテル」
一言余計である。

■観光客
宿泊先のホテルの目の前に、あのロッテホテル/百貨店がある、ソウル中心街“明洞(ミョンドン)”にいた。そして我々が目指したのは、その明洞とは全然離れたところにあるマッサージ。ちょっとは観光客らしいことをしようと、我々は韓国定番の全身マッサージを体験することにした。

全身マッサージと足マッサージ。実に気持ちよかった。さらには、スタッフも片言の日本語を話せ、なかなか面白かった。神はいきなり1から10までを韓国語で言い始め、1万だか100万くらいまでの数字の読み方をマスター。ついでに、原の担当だったキムさんの「サッポロビール、美味しくない」という言葉に神はショックを受ける、などマッサージ以外も楽しめた。

※梨泰院にある「読売マッサージランド」に行きました。
■第2投
マッサージを終えた我々は、昼飯兼晩飯を食べるため、サイコロを振ることとした。お店はホテル周辺からピックアップ。
 
 
サイコロ第二投
南浦麺屋で“冷麺
●●
チェイルガーデンで“焼肉
●●●
全州中央会館で本場“ビビンパ
●●●●
全州中央会館で“コムタン
●●●●●
ソゴン・チュクチプで“ソッパ
●●●●●●
ミョンドンギョジャで“餃子

ここは原が第二投を担当。そして「●●●●●」の「ソッパ」を引き当てた!丼物みたいな食べ物である。この店は比較的簡単に見つけることが出来、そして運命のカードを引くこととなった!
 

カードのおさらい
全員 食べられる
原 食べられない
神 食べられない
柴田 食べられない
全員 食べられない

そして原が引いたのは・・・「原 食べられない」!!!!!

こうして、原は店に入る物の、な〜んにも食べられず、コーラを飲みながら二人の美味しそうに食べる姿を眺めるのであった。

原はあまりにすることがなく、店員のおばちゃん相手に、何故自分が食べられないのかをサイコロボードとカードを見せて日本語や英語を織り交ぜながら説明して、笑われ、呆れられるのであった。

こうやってコミュニケーションを取り始めた我々は、日本で蝉の鳴き声を「ミンミン」というのに、韓国では「メンメン」ということを知った。韓国文化に触れる、韓国の人たちと交流を深めた、という点でも重要な役割を果たした蝉であった。

■命のマック
なんにも食べられないと、人間、死んじゃう。そこで、グルメではない食べ物に関しては食べて良いことになっている。グルメではない物、そう、世界どこにでもあるマクドナルド(とロッテリア)である。結局この晩、原はマクドナルドでチーズバーガーセットを頬張るだけで終わったのだった。

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