
第2回 日本人の生活の始まり
◎それぞれの時代の生活をくらべよう
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先土器時代 |
縄文時代 |
弥生時代 |
| 仕事 |
狩りや漁、自然物の採集 |
狩りや漁、自然物の採集 |
狩りや漁の他、稲作が開始 |
| 道具 |
狩りや漁業用の打製石器を使用 |
狩りや漁業用の磨製石器や骨角器が貝塚等から出土。縄文式土器(厚手でもろい) |
稲作用の石器・木器→登呂青銅器・鉄器などの金属器弥生式土器(薄手でかたい) |
| 住まい |
洞窟に住む |
竪穴式住居 |
竪穴式住居、高床式倉庫 |
| 社会 |
血のつながった者の小集落。獲物を求めて移動。貧富の差なし→平等 |
左に同じ |
大きな村の形成稲作に便利な低地に定住貧富や身分の差→支配者 |
| 風習 |
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土偶→まじない?屈葬による葬り方 |
農業神や祖先神を祭る手足を伸ばして葬る |
| 遺跡 |
群馬県・岩宿遺跡 |
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静岡県・登呂遺跡 |
上の表を覚えること。テストに出るとくに重要な言葉は、次の四つ。これらは漢字でも書けるように!
★KEY-POINT
- 貝塚……………縄文時代の人々のゴミ捨て場。貝殻、獣・魚の骨などが出る。
- たて穴式住居…原始・古代の一般住居。
- 登呂遺跡………静岡県。稲作時代の水田のあと。
- 弥生文化………大陸伝来の稲作と金属器、弥生式土器。
◎小国分立の時代は、中国の歴史書でわかる
「漢書」「後漢書」「魏志倭人伝」の三つの歴史書に注意。
★KEY-POINT
- @「漢書」…………紀元前後には100あまりの国が分立。
- A「後漢書」………倭の奴国の王、後漢の光武帝より金印を授かる(57年)。金印は、江戸時代に博多湾の志賀島で発見。
- B「魏志倭人伝」…3世紀、邪馬台国という国を、女王卑弥呼が治める。
◎歴史は、こうしてはじまった
稲作の開始により、弥生時代には、社会に貧富の差が生まれ、支配者が出現したが、その支配の範囲と規模は一層拡大する。紀元前後には百国余が分立し、3世紀の邪馬台国は30余国を支配し、そして、4世紀には大和地方に強力な大和国家ができ、日本全体に支配を広めていくことになる。
◎4〜5世紀は、大和朝廷が発展した時代
- 大和国家は、4〜5世紀に国内をほぼ統一。その政府(大和朝廷)は、氏といった各豪族に身分を示す称号の姓を与える氏姓制度で秩序づけられていた。なお、氏は、土地や人民(部民)を所有していた点に注目しておく(→645年の大化の改新のとき、公地公民になる)。
- 4世紀に、朝鮮の加羅(任那)地方に進出、百済と結んで、新羅や高句麗と戦った→高句麗の好太王(広開土王)の碑。5世紀に「倭の大王(武など5人)」が中国に使いを送った。
- 古墳文化では「前方後円墳」の出題率が高い。方墳や円墳は朝鮮から来たものだが、前方後円墳は日本独自のもの。
★KEY-POINT
- 5世紀につくられた巨大な前方後円墳(仁徳天皇陵など)は、日本独特の形で、天皇の権力と勢力を示す。
◎渡来人によって大陸文化が伝えられた
- 5世紀までに…漢字・儒教が伝わり、日本の文化が発展した。
- 6世紀までに…百済から仏教・土木・養蚕・製陶などの多様な技術も伝来。
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