《前日まで》
■旅の始まり(7月21日)
“土用の丑の日”が近いので、土曜日に牛を食べよう、という企画があった。ではなくて、土用の丑の日が近いから丑を食べるのだけど、単に食べるだけでは面白くないから“三島の丑と浜名湖の丑を食べ比べよう”という企画を敢行していた。その最中
神「夏(休み)、どうします?何かしましょうよ」
原「九州でフグを食べに行こうと思っているんだけど」
神「ついでに日帰りで韓国に行き、焼き肉食べてくる、というのはどうでしょう?」
原「それ、魅力
この合宿の始まりである。

この日以降、神は期限が切れていたパスポートの再取得に走る。この日から更に1週間後、韓国合宿の話を聞きつけた柴田は、説明を聞いてもいないのに、一言「サイコロやるんでしょ?」とこの合宿へ参加を表明。そして、半休をとってあわててパスポートの取得に走った。

ここまでは行動が素早いのだが、ここから1週間、誰もな〜んにもしないのである。
唯一、神が「で、どうします?」とメールを原に送った程度。それだけである。
だから、日程すら決まらない。
だから、交通手段が決まらない。
当然、宿も決まるわけがない。
唯一決まっていたのは、合宿のテーマ
『韓国食い道楽 サイコロの旅』
だけだった。

■6日前(8月5日)
ようやく神が動き出した。

神「柴田のパスポートが、出発予定日(8月11日)の前日(10日)にとれます。行くんですよね?韓国に。」
原「うん。飛行機、空いてるよ。行ける、行ける。」
実にアバウト。でも、さすがにこれではヤバイと、神が飛行機やらフェリーやらの空席状況を確認し、博多←→釜山を結ぶ高速フェリー“ビートル号”の予約を取った。最後の空席3席を運良く取れたのだ。11日に出発、14日に帰国。でもこれではあまりに韓国滞在が短い、という理由で帰国を15日に変更した
 

■2日前(8月9日)
午後5時。本当は前日までに、宿の予約状況確認の電話が旅行会社から原の会社か自宅にあるはずだった。が、来ないのだ。さすがに2日前なので、さすがに焦って旅行会社に電話した。

原「あの〜、釜山の宿、どーなりましたかぁ?」
旅行会社「留守電、聞いていただけましたか?取れましたよ」
留守電など聞いてないけど、とにかく無事宿は予約できた。このまま帰社し、帰りがけにこの旅行会社で宿代を支払い、無事、帰宅した。そこで留守電が1件。
留守電「ピッ、ブー、ブー、ブー」
原「(?_?)・・・・・・・・・・」
旅行会社の人は、一体、この留守電で原に何を伝えたかったのだろう。

■前日(8月10日)
いよいよ前日となった。

と、まぁまぁの前日のはずであったが・・・原だけはちょっと違った。

帰路の途中、約400mの橋を渡りながら、「あれ?パスポートの期限いつだっけ?」。確か前回取得したのが96年10月。ということは、去年(2000年)の10月で期限が切れてるね。うん、間違いない。そう、間違いない、ってことは、あれ?俺、韓国に行けないじゃん!?

昨年はアメリカへの出発日を一日も間違える大アクシデントをしでかしたが、今回はパスポートの有効期限。人に笑いを提供するのは良いことだが、あまりにもアホ過ぎる。ともかく顔面蒼白。とにかく、そこから急いで、るるぶ韓国を買い、帰宅した。そしてパスポートを見ると

有効期限 18 OCT 2000
原の夏は終わった。

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Copyright 2001 Hara Takatoshi